「……蔦子先輩と緒方くんを困らせた原因が身内とか、せっかく仲良くしてもらっているのに申し訳なくて……でも、自分一人で抱えているのはきつすぎて……。会長なら、一緒に背負ってくれるんじゃないかなっていう甘えから会長を連れてきました……」
なるほど? 甘えてくれたのは単純に嬉しい。けど。
「じゃあ、俺だけを連れて来た理由はなに?」
哀淋と幹は、『あいりん』と『湖風』の問題の当事者だ。
それに、ここは二人にとっては敵地にも等しい。
いきなりつれてくることは常識ではないだろうけど……。
こーちゃんが、また視線をうようよさせだした。
「こーちゃん?」
本日三度目になる呼び方をすると、こーちゃんは、う、と息を詰まらせた。
「今言っちゃったほうがラクになるよ?」
にこにこ笑顔を保ったままで俺は言う。
何を抱え込んで今日の行動に出たんだか……吐くまでは問い詰める。
こーちゃんは口を開いては閉じてを繰り返してから……
「……私のせいだから」
と、やっと話してくれた。
「……なにが?」
こーちゃんの声のトーンが変わる。こーちゃんは唇を噛んで下を向いた。
前髪に隠れて、顔は見えなくなった。



