「陽菜~、できたぁ?」

 しーちゃんが疲れた顔でわたしの席にやってきた。

「え? うん。まあまあ……かな?」

「あー、そうだよね。陽菜、成績良いモンね」

 がっくりと肩を落とすしーちゃん。
 続いてやってきたカナの顔は開放感に満ちあふれていた。

「やっと終わったな~、テスト」

「うん。お疲れさま」

「あー、やめやめっ、試験の話はおしまいっ!」

「なに? 志穂、そんなにでき悪かったの?」

「……なにさ、叶太くんは、できたっていうの?」

「まあまあかな。ハルに教えてもらったし」

「ずっるー。陽菜~、わたしにも教えてよ~」

「お前は、羽鳥先輩に教えてもらえばいいじゃん」

 止める間もなく始まる口げんか……と言うか、いつものじゃれ合い。