「ーー顔が花菜って感じっ」



なんだそれーー。


花菜って顔ってどんな顔よ。
怖さも吹き飛ぶわ!!


気づいたら窓の外は、晴れていた。

あの土砂降りどこ行った?

雲ひとつない快晴。


交差点を過ぎたあたりから急に晴れた気がする。

気のせいかもだけどーー。

濡れていた地面は、もう乾いてるから。




「彼女の名前ーー花菜って言うんだ。

だから口に出た。
まさか、花菜とは、偶然にもすげーわ!








花菜はさぁ、あの交差点で去年死んだんだ。


お盆に実家帰って、お互いの両親に結婚するって話す予定だった。





お盆休みで、帰って来る矢先ーー花菜は、あの交差点で事故にあった。







ーー去年の今日だよ」










ズキン。







痛いーー。







君の泣きそうな瞳を見たから
痛いのかな?













「なあ、












なんでーーーー












俺を残して逝くなよ、花菜っ」













えっーーーー?


彼が見てるのは、私ーー?