私はーーーー陽太の手を握り返した。




眩い光が体を包んだ。



「花菜、絶対に誰に何を言われても振り向いたり、返事をしちゃダメだよ」




なに?











白い光の中。
私は1人。









ドアがある。
行かないとーー。






"花菜、そっちじゃないよ"ーー。



陽太の声に呼ばれて、後ろを振り返りそうになりやめた。




陽太はこれが言いたかったに、違いない。



ギュッ、と目をつぶった。





"花菜ちゃん、大きくなったな。
花菜ちゃんあそこにドアがあるだろう。
あそこに陽太が居るからーー陽太に幸せにしてもらって。
そこに自分はいないが、
幸せを願ってるーー"




優しい腕。



この声知ってる。





陽太のお父さんだーー。