「ふうちゃん、飲み物いる? うちには水しかないけど」
「ううん、大丈夫。 持ってきた」
小さな水筒を見せると、彼はほっとしたように笑った。
ハルキくんは、きっと、気がついている。
気がついたうえで、そうしている。
ハルキくんは、溺れたがり。
水しか飲まないし、死ぬときには水に殺されたいそうだ。
わたしは、たよりたがり。
ハルキくんがいないと、真っ暗闇。
ハルキくんも、たよりたがり。
わたしがいないと、彼は、死ぬ。
お互いがお互いをたよっている。
共依存ってやつだと思うけれど、彼に確認したことはない。



