とりあえず、溺れとく




リンゴを食べ終えたわたし。手を洗いに立つと、彼の暗い瞳がまぶたに覆われた。





──ただのまばたき。



知っているけれど、わたしをおいていってしまうのではと思った。



「ふうちゃん」



わたしの背中に、彼の声。



「ん?」



少し震えた、彼の声。



「息ができないと、苦しいよね」





だからわたしたちは、溺れたがる。