とりあえず、溺れとく




それでもわたしは、生きている。



彼にわたしを殺すつもりなど、なかったから。



ハルキくんの溺れた感覚を知りたいと言ったわたしに、彼が再現してくれただけだから。



まっさら、隙間だらけのわたしを埋めてくれたのは、ハルキくん。



わたしはハルキくんがいないと、生きていけない。



彼も、わたしを生かすという使命感がなければ、生きていかない。



それならば、どうせならば、死ぬときは一緒がいい。