「お邪魔しまーす」
中に入ると、カウンター席と四つのテーブル席がある。中の壁もくすんでいたけど、テーブルはきちんと掃除されている様子で安心した。
店員さんは見つからないけど、奥にいるのかな。大勢の学生が入り込んできても店先に出ず、物音すら立てないマイペースさにくすっと笑う。
馬服くんはお店の事情をよく知っているのか、この時間お客さんは少ないからカウンター席を使っていいと言う。私たち以外誰もいないので、厨房への入り口を囲む様なカウンター席に並ぶ。
テーブル席にもカウンター席にも鉄板があって、お好み焼きを作れるという。大きな鉄板に四人でワクワクした後、メニューを見て話し合う。
私はどうせなら鉄板で作る料理が食べたいな、なんて思いながら目を通し、ふと顔を上げると目の端でちらちらと動くものがあった。
点滅するみたいに出たり消えたり、落ち着かなくてぐるりと見回す。水に浮かんだ油みたいなぐにゃぐにゃしたものが漂う。そしてまた点滅するみたいに、箸さえ置かれていないテーブル席や乱雑に物が置かれ埃かぶったカウンター席が見える。
さっきまで見えていたカウンター席はまっさらなのに。
不気味な世界に取り巻かれ、見えるものに混乱しながらも答えが浮かび上がってくる。
これは、呪いだ。
手の模様は描いておかないと効果がない。
みんなに言うべきだと思ったけど、もう手遅れみたい。
私が逃げ切るためには今からでも動き出さなければいけない。
呪いをかけた人はわかっている……
私は床につけた爪先に力を込める。
後ろに飛び上がり、一回転すると爪先で窓を割る。
一瞬だけ刀でみんなの頭がはねられるのが見えた。
即死だと思うけど……。呪いで食堂を見せられているだけで、本当は閉店した店だから発見されないし助けは期待できない。
高架下のお店の屋根に降り、振り返ることなく一直線に飛び走る。
そうじゃないと逃げ切れない。馬服くんからは……
中に入ると、カウンター席と四つのテーブル席がある。中の壁もくすんでいたけど、テーブルはきちんと掃除されている様子で安心した。
店員さんは見つからないけど、奥にいるのかな。大勢の学生が入り込んできても店先に出ず、物音すら立てないマイペースさにくすっと笑う。
馬服くんはお店の事情をよく知っているのか、この時間お客さんは少ないからカウンター席を使っていいと言う。私たち以外誰もいないので、厨房への入り口を囲む様なカウンター席に並ぶ。
テーブル席にもカウンター席にも鉄板があって、お好み焼きを作れるという。大きな鉄板に四人でワクワクした後、メニューを見て話し合う。
私はどうせなら鉄板で作る料理が食べたいな、なんて思いながら目を通し、ふと顔を上げると目の端でちらちらと動くものがあった。
点滅するみたいに出たり消えたり、落ち着かなくてぐるりと見回す。水に浮かんだ油みたいなぐにゃぐにゃしたものが漂う。そしてまた点滅するみたいに、箸さえ置かれていないテーブル席や乱雑に物が置かれ埃かぶったカウンター席が見える。
さっきまで見えていたカウンター席はまっさらなのに。
不気味な世界に取り巻かれ、見えるものに混乱しながらも答えが浮かび上がってくる。
これは、呪いだ。
手の模様は描いておかないと効果がない。
みんなに言うべきだと思ったけど、もう手遅れみたい。
私が逃げ切るためには今からでも動き出さなければいけない。
呪いをかけた人はわかっている……
私は床につけた爪先に力を込める。
後ろに飛び上がり、一回転すると爪先で窓を割る。
一瞬だけ刀でみんなの頭がはねられるのが見えた。
即死だと思うけど……。呪いで食堂を見せられているだけで、本当は閉店した店だから発見されないし助けは期待できない。
高架下のお店の屋根に降り、振り返ることなく一直線に飛び走る。
そうじゃないと逃げ切れない。馬服くんからは……



