呪い本14ページ 魔破りの目

「呪いかけられそうと思ってたらマジで呪いの本あったわ。えっと」

ななちゃんが表紙をめくり、一ページ目には文字がびっしり入っていた。それを読み飛ばして二ページには人を転ばせる呪いが書かれていた。

「うわぁかけてそう……」

「こんな呪いがあるのかぁ。気付かない間にかけられてるんじゃね?」

はなみちゃんが引き気味に笑い、ななちゃんがみなきちゃんの顔を覗き込む。三ページ目は早寝早起きの呪いで、イメージしているような恐ろしいものではなかった。本当何でもありなんだなぁ。

ななちゃんは数ページ飛ばしたところに爪を入れ込み、本を開く。

開いた本の十四ページ目は魔破りの目という呪いだった。

「呪いをかけられたらそれが見える……これ執印の呪いから逃げるのにいいんじゃね?」

みなきちゃんが目を輝かせた。

「そうだ、かずよにこれをかけてあげよう」

はなみちゃんが私と向かい合って、他人にかけるときは……と本に書かれていることを呟きながら、進めていく。不思議な呪文を唱えて、実感はないけどこれで呪いがかかったらしい。

「ありがとう!」

「どういたしまして。やっぱりかずよの身を守らないとね〜」

「ていうかそもそも呪い自体効かなくなるのってないのかなぁ?」

二人で喜んでいると、みなきちゃんが小さな疑問を浮かべた。

「あ」

いいところを突かれて三人で気の抜けた声を上げる。考えつかなかったけど、確かにそんな呪いがあってもおかしくない。

最後らへんのページに目次があって、本当に呪いが効かなくなる呪いがあった。そのページを開くと、不思議な模様がどんと載っていた。

「え〜呪文じゃなくてこれかくの?」

長い十字に尖ったヒイラギの葉に似た模様や三日月などを組み合わせた感じで、呪文よりは手間がかかりそうだった。

立ちながらではかけないから、私たちは机に移る。
それぞれ右手首の内側にかいた後見せ合い、私がかいたのが何か違うって笑ったり、はなみちゃんが本の模様をそのまま移したみたいに綺麗で感心したり、来た理由を忘れて楽しんだ。

その後他に何か面白いのはないか探して、私は思った様に足が動く呪いに食いついた。運動が苦手で足も遅いから、速い人はいいなと憧れていたんだ。

呪文を唱えて自分に呪いをかける。
そうして休み時間は残り少なくなり、棚に戻して図書館を出た。