「もしかしてプリント届けに来てくれたの?」


「あっそうです!これです!」



お母さんの声で我に帰り、私は慌ててプリントをお母さんに渡した。


「わざわざありがとね」


「あの、夏川くんどうですか?」


「ちょっと風邪引いちゃったんだけど、大したことないからすぐ良くなるわよ」



そっか、それならよかった。



「じゃあこれで帰ります。また学校でと伝えてください」


「ええ、伝えとくわ。気をつけて帰ってね」



私はお母さんにペコリと頭を下げ、自分の家に帰った。