私は重い腰を上げて立ち上がった。 「わっ私、帰ります……」 お母さんはギロリと私を見る。 「帰る?」 ひっ!と、思わず叫び声が出た。 「待ちなさい」 お母さんがこっちに向かって来ようとしている。 私は震える足を無理やり動かして玄関に向かって走った。 振り向くと、お母さんが物凄い形相で追いかけて来る。 「待ちなさい。ねえ、待ちなさい」 やだっ!殺される! 捕まったら殺される!!