その声はだんだん女の人の声に聞こえてきた。 この声、夏川くんのお母さん? 声のする方へ近づいていく。 その先にはカーテンが閉じられた窓があり、その前にお母さんが壁側を向いて正座していた。 「……そう……あ……っ……お……」 お母さんは、長い髪と肩を左右に揺らしながら何かを呟いている。 ゆらゆら…ゆらゆら… その姿に思わず息を呑んだ。 夏川くんのお母さん、やっぱり変だよ……