第一王子に、転生令嬢のハーブティーを II



 ニーナが不満そうに言うと、ミハイルは苦笑する。



「何となく話してみたいなと思っていて、実際に話してみると気が合って、彼女ならずっと一緒にいられそうだと感じた。それぐらいですよ。僕も28で若くないですし、恋愛もその時々の感情に流されるような情熱的なものはしません」


「28も十分若いですよ……ってでも、ミハイルさん、あたしより10コ以上上だったんですね」



 それは少し驚きだ。ニーナの前世、仁奈が生きたのは25までだったから、それより歳上だったのか。



「ニーナはまだ10代でしたね。身分違いの恋愛などという危険な恋ができるのも、若者のならではでしょう」


「……何だかその言い方だと、あたしたちの恋には未来がないように聞こえますね」



 ニーナとデュランが『主従関係以上、恋人未満』のような関係であることはミハイルも知っている。

 だからその言い方に、そのような関係でいられるのも今だけだと言われている気がしてカチンとした。




「そんなことありません。これでもニーナとデュラン王子のことは純粋に応援しているつもりですよ」



 宥められて、ニーナはふうっと息をついた。