結果──
バシャンと大きく水しぶきを上げながら、アリシアは盛大に転んだ。
「いたた……」
やってしまった。完全にやってしまった。
ゆっくりと目を開く。
と、何故か、至近距離にイルヴィスの顔があった。
髪から水がしたたるその姿があまりに美しくて、混乱したアリシアは状況が理解できないまま、じっとその顔を見つめる。
すると、見つめられた彼はふいと顔を背けて言った。
「アリシア、すまないが怪我がないようならそろそろ下りてくれ」
「え?……あっ!」
その言葉でようやく、アリシアは今何がどうなっているのか知った。
アリシアはが倒れているのは砂の上ではない。イルヴィスに覆い被さるようにして倒れていた。
どうやら彼は、バランスを崩したアリシアを受け止めようとして、逆に巻き込まれて一緒に倒れてしまったらしい。
おかげで彼の服や髪までびしょ濡れである。
「ごめんなさい!今すぐどきますっ」
しかし慌てていたせいか、またズルりと足を滑らす。その上今度は、咄嗟にイルヴィスに抱きついてしまった。
(まずい……)
うまく体勢を立て直せない。焦りゆえか、心臓がバクバク音をたてる。



