「そうですね……きっと、わたしはディアナ王女のことを大切にしている人の存在を知っていたから、無意識に貴女を助けなければ、と思ったんでしょう」 頭に浮かんだのは、妹として、愛する女性として、ディアナのことを想っていたカイの顔。 そうだ。彼のためにも、やはりディアナと共に戻らなければ。 「ディアナ王女。何としてでも帰りますよ!」 力強くそう言ったアリシアは、睡眠薬入りのハーブティーをトレイに載せ、操縦室へと向かった。