──しかし、その喧騒は長く続かなかった。
一人が静かになり、また一人口を閉ざす。
やがて、全員……正確には、アリシアとディアナ以外が皆、床に倒れ込み、心地よさそうな寝息を立て始めた。
「眠った……」
アリシアは息をつき、額に浮かんだ汗を拭う。
「姉様ったら、どれだけ強い睡眠薬を処方してもらっていたのよ。ちょっと効きすぎじゃない?」
苦笑しつつ、アリシアは睡眠薬の入っていた包みを取り出して眺める。
レミリアの家にあった睡眠薬。彼女が以前医者に処方してもらったものらしいが、必要もないのに不用意に使用しないよう回収していたのだ。
あの家を出る時、偶然今着ているワンピースのポケットにしまっていたのを思い出し、利用できないだろうかと考えた。
「本当に上手くいったんですのね……」
ディアナは震える声で呟く。
お茶係として働いていたカーラなら、もし持って行ったお茶の味が気に入らないと言われた場合に備え、一緒に砂糖を持ってくるだろうと踏んだ。
予想通り彼女は大きめの砂糖の瓶を持ってきて、アリシアは隙を見てその砂糖に睡眠薬を混ぜた。
睡眠薬の効き目がいかほどかわからなかったので、できるだけ睡眠薬入りの砂糖をたくさん入れてもらおうと、まずは自らたくさんの砂糖をハーブティーに入れて見せたのだ。



