第一王子に、転生令嬢のハーブティーを II




 十数分経った頃、船員を引き連れたカーラが、人数分のカップを持ってやって来た。

 船に積んであったらしいカップは、ところどころ欠けていたりと、あまり見た目は良くないが、柑橘系のとても良い香りがしてくる。



「へへっ、この状況でティーパーティーとは酔狂だねぇお嬢さん」


「同じ船に乗っている人の顔すら知らないなんていうのもどうかと思ったのよ。縄、解いてくださいますか?海の上じゃどうせ逃げ出せやしませんし」



 アリシアは集まってきた男の一人に縄を解かせると、若干の立ちくらみを覚えながらもようやく立ち上がることができた。

 集まってきた男は七人。船を操縦している船長以外はこれで全員らしい。



「良い香りがするわね。カーラ、これは何のハーブティーかしら?」


「オレンジブロッサムです。船に積んであった商品から見つけました。……アタシの買取なんですから感謝してくださいよ」


「ありがとう!ほら、ディアナ王女も行きましょう」


「え、ええ」



 戸惑い気味のディアナの手を引き、オレンジブロッサムティーの入ったカップを受け取る。

 皆が座れるような椅子とテーブルはなく、地べたに座る感じになり、少しピクニックのような雰囲気だな、と思う。