「──っていうことです。……というかアリシア様!聞いてます?」



 カーラに呼びかけられ、カイと話していた時のことを一人回想していたアリシアはハッとなる。



「ああ、ごめんなさい。少しぼんやりしていて」


「ぼんやりって……この状態でぼんやりできるってどんな神経してるんですかあなた!」


「だからごめんなさいってば。もう一度話してちょうだい。カーラとディアナ王女が異母姉妹だってところまでは聞いていたわ」


「いやそこ聞いてたなら普通気になって続きも聞くでしょ!『え、どういうこと!?まさかカーラも王女なの?いやでも話からするとディアナ王女が国王ではない他の貴族の娘ってこと?』って混乱するとこでしょうよ!」


「ねえ、話も聞くけれどそろそろ腕が痛いの。縄を解いて自由にしろとまでは言わないから、ちょっと緩めてくれないかしら?血が止まりそうだわ」


「だからどんだけ肝据わってるんですかっ!?」



 カーラは「はあ、調子狂う……」とぼやきながらも、アリシアの要求通り少しだけ縄を緩めてくれた。



「で、話の続きを聞かせてもらえるかしら?」


「……ええと、まずディアナ様はですね、偽物の王女なんです。国王陛下の血は一滴も受け継いでいなくて──」


「あ、大丈夫。それは知っているわ」


「は!?」