要件は伝えたからとばかりに足早に立ち去るメイドらしき女。
(いやいやいや話って何よ。わざわざ場所指定して伝えさせたって?……怪しすぎでしょ)
今までの傾向からいくと、ディアナ本人が何か企んでいる可能性より、今のメイドなどを含めたこの城で働く人々──ディアナの親衛隊たちがまた何か仕掛けてこようとしている可能性が高い。
(まあ、天気も良いし、また庭に出てみるというのは悪くないけれど)
警戒心を抱きながらも、同時にそんな呑気なことも思う。
それに、もしも本当にディアナがアリシアと話したがっているというのなら、無視してはまずい。
バケツの水をかけられないか、落とし穴が掘られていないか……。その辺に警戒しながら行ってみよう。
そう思って階段を下りる。
外の明るさに目を細めながら庭に出ると、相変わらずたくさんの花々が咲き誇っていた。
残念ながらアリシアは、ハーブティーに使えるハーブ以外の植物に関してはあまり詳しくないので、これらの可愛らしい花々の名前はわからない。
友人である庭師のミハイルや、カフェのオーナーでありながら何故か妙に博識なリリーあたりがいたら喜んで解説してくれそうだ。



