『あのー落としましたよ』 不意に後ろからかけられた声 振り向くと 肩までの茶色がかった髪を揺らして、少し異国の雰囲気を持つ彼女がいた 「ありがとう」 「どういたしまして!」 うお こんな綺麗に笑う人いるんだ… って思った記憶がある もし、この機会を逃したら もうこの人に会えないかもしれない その謎の想いが人見知りな俺を動かした 「あの」 「あの」 どういうわけか重なって聞こえたその言葉に思わず笑いが溢れた ひと夏の思い出