「──世莉(セリ)?聞いてる?」


びくっ。


考え込んでいたせいで、身体が強張ってしまった。


いけないいけない。不審に思われたかな。


「聞いてるよ」


無理やり口角を上げて、なんとか取り繕う。


聞き流してるよ、とは言わない。


「……ふーん。ならいいけど」


ユカリは、(いぶか)しげな表情をしながらも、引き下がった。ひとまず安心した。


未だに、どうして自分がこんなグループに入っているのかわからない。


きっかけはよく覚えていない。高校に入学してから三人と知り合った。成り行きだった。


派手なユカリと地味な私。ユカリみたいな人とは、この先一生関わることがないと思っていたから。