─プププ…プププ…
 
─プルルルル…プルルルル…


現役のキャバ嬢なら、この時間は忙しいかもしれないな…。


やっぱり迷惑…かな。


そう思い、切ろうとしたとき。


─プツ


「…切られた」


あたしはまだ切ってなかった。


相当忙しい時間だったのかな…。


【忙しい時に電話しちゃってごめんなさい。聞きたいことがあるから、時間があれば折り返してほしいです】


そうだよね。


唯さんは人気キャバ嬢。


それも、きっと今日はクリスマスイベントで大繁盛の日だろう。


「今は探るな、大人しくしとけってことなのかな…」


でも…せっかく犯人が分かったかもしれないのに、何もできないなんて…。


もどかしい。


今すぐにでも問い詰めたいのに…。


〝そーいやさ、明日が命日だよね〟


華さんのあの高飛車な声が頭から離れないんだ。


あの時の電話の声と重なる高飛車な声が…。