「さぁ、雪花。今日はもう寝ていいよ。明日からが楽しみだね」


叔父はあたしをナイフで脅しながらベッドへ寝させた。


木の板を敷いてるんじゃないかってくらい硬い布団に、ペラッペラのベージュの毛布1枚だけ。


こんなんじゃ凍死する…。  


「毛布1枚じゃ寒いよね?羽毛布団用意した方がいい?」


叔父にしては気が利く一言だけど、絶対に裏がある。


「…いらない」


ヤツの思うように動くもんか。


どんなに寒くても我慢する。


あたしは…生きて帰って深景さんに言わなきゃいけないことがあるんだ。


「死ぬよ?こんな寒いところでそんな毛布1枚じゃ、凍死する。それでいいの?」


…死にたくはない。


前までは死ねるなら本望だって思ってた。


でも、今は違う。


「…死にたくない…っ」