世界が終わるとき、そこに愛はありますか

「私も華に注意したり、ボーイや店長、社長に対処を求めたりしたんだけど、あんまり意味なくてさ。

でも、莉愛は負けなかった。

いつもニコニコしてて、ツラいことなんて何にもないように振る舞うの。

私はその心の奥底にあるSOSに気づいてあげられなかった。

莉愛は大丈夫だ、莉愛は強い、って勝手に思い込んでた。

あの子、自分の本心隠すの上手いじゃん?

だから私は本当の莉愛を知らない。

分かってあげられなかった。

それをずーっと後悔してるんだよね…。

莉愛がいなくなってから、華がナンバーワンに返り咲いた。

そんな店に居たくなくて、琥太郎が牛耳ってる店に移ったの。

それから莉愛の情報が入ってくることもなく、ずっと消化不良のまま、雪花ちゃんに出会ったってわけ。

大袈裟かもしれないけど、運命だと思った。

雪花ちゃんならきっと本当の莉愛を知ってるって思うと、仲良くなりたくてさ。

だから強引に家に呼んだりしちゃった。

ごめんね…」