終電逃すって、自分の爪の甘さに辟易する。
「うちに泊まります?」
誰が言ったのだ、とそちらを向く。
外でもない八橋さんが居た。
「宿泊代くらいなら浮くと思います」
「それは、遠慮しときます」
「ゲストルームあるんで。ソファーで眠ってくださいとは言いませんよ」
笑ってるけど、遠慮したいのはそこじゃない。
「明日お休みですよね、何か予定あるんじゃ」
「特にないです。正武さんは何かあるんですか?」
「ありま……す! なので駅に近い方が便利かなと思って」
言いながら、私は何を必死に言っているのか虚しくなってきた。



