よほど酷い顔をしていたのか、八橋さんが笑いを噛み締めていた。 「言ったら、支社がこちらにあるみたいで、それはどうかと」 「……そこで働いて、何か言われたりはしないんですか? 親族の方とか」 濁したが、結局のところ知りたいのは久我財閥のこと。 八橋さんがどこで働くのも良いとは思うけれど、それに対して何かしてきたり、するのでは。 いつか見たどろどろとした相続ドラマを思い出していた。 「それは無いと思いますよ、外で働く人間には干渉してきませんし。蔵馬さんが良い例です」 確かに、と頷く。