それから月初を迎えた。というより、迎えたわけではなく、向こうから来た。
その後忙しくなり、私は行く場所を考えるのをすっかり忘れていた。気付いた時には月末で、一度連絡しようと八橋さんの携帯を鳴らした。
……出ない。
まあ折返しが来るだろうと軽い気持ちでいた。
年度末になるまで、八橋さんから連絡は無かった。
「正武さん」
声をかけられ、そちらを向く。
「なんですか?」
「何ですかじゃないよ、今全部用件言った」
「すみません。私に言ってるとは気付かなくて」
本心だ。しかし、捉えようによっては相手を煽る言葉だ。



