はなうらない


自分が本社に異動になった時、結構嬉しかった。本部に行くということは、それだけ責任のある仕事を任されるということだ。それだけ信頼されているとも言う。

それを断るとは……。
有明の実態が掴めない。

というか、断っても尚支社にいて仕事をしているのも理由があるのか。

「じゃあ私のこと結構嫌だったでしょうね」
「え? あ、いや、そういう意味で言ったんじゃ……」
「確かに最初嫌われてんのかなって感じでしたから」
「でも今は違うと思いますよ。稲村さんの後任にちゃんとはまってますから、正武さん」

籾野さんは爽やかに笑う。良い人だ。私は籾野さんがいなければこの支社でやって行けなかった。