八橋さんは前を向いてエンジンをかけた。 「その時は海に身投げでもします」 「え、縁起でもない……!」 「嘘です、発進しますね」 本当に冗談なのか、全然わからない。 そんな風に不穏な発言から始まったドライブだったけれど、道中は静かだったり時折雑談をしたりして、普通に楽しかった。 「お土産聞いてきたのって誰ですか?」 「同期の、有明って人です」 私の同期であると共に、八橋さんの同期でもある。 知ってますか? と隣を見る。 「名前は聞いたことがあります」 「麦前もそれ言ってました……」