八橋さんが寝室から出てきて、財布とキーケースを持っていた。 「雪」 「こっちは暖かいですね」 「確かに、雪が降る気配はないですね」 最後のひとつを食べ終えると、八橋さんはお皿を回収していく。 「ご馳走様です」 「いいえ。行きますか」 「はい」 レジデンスを出る。空は晴れていた。 青い空を見るのは久しぶりのような気がして、暫く見てしまった。 「何かいました?」 隣に並んだ八橋さんが同じようにして空を見上げる。 「空が青くて」と、思ったままを返した。 「正武さんって、綺麗ですよね」