「きみ、頑張ってないもの。自分の可能性を諦めた人間が空なんて飛べるわけないよ」
「…なんですか急に。ていうか俺、別に空の飛び方とかしらなくても──」
「ほら」
「…は?」
「きみは立ち上がることすらしないのね」
その言葉に、俺はぐっと言葉を呑み込んだ。
理不尽な人だ。
俺のすべてを知っているわけでもないくせに、俺がまるですべてを投げ出したかのような言い方をする。こちらとしても気分が良くない。
──そう思っているのに、俺は何故か何も言い返すことができなかった。
「きみは耳が悪いんだよね」
どうして知っているんですか、なんて聞かなくても大体わかる。
彼女は先生だ。職員の間では、俺の耳の病気は知れ渡っていることなのかもしれない。
「それはいつか聴こえなくなるの?」
「…わかりません」
「じゃあ、わからないから怖いんだね」



