「克真くんおはよう」

「……、」

「ねえ。友達第1号がおはようって言ってるのに無視はないんじゃないかなぁ」

「…朝からうるせえな」

「おはよう?」

「……はよ」

「うん!おはよう!」




彼と“友達”になってから早1か月。

私たちの朝は、こんな会話から始まる。




教室に着けば彼は相変わらず窓の外を眺めていて、
相変わらず呼んでも振り向いてはくれなくて、
相変わらず肩を叩いたところで私の存在に気づいてくれて、

相変わらず第一声は「うざい」。



彼は綺麗な顔立ちをしているから、密かに彼に好意を持っている人もクラスメイトの中にはいるかもしれないけれど、彼の放つオーラのせいで声をかける人はいなかった。