このひとはほんとうに、わたしのことがすきなんだな、と思った。とんでもない思考だけれど、でも、だって。 あれだけ言われたら、わたしもあんなに悩んだら、とんでもない思考にも至ってしまう。 「紗奈ちゃんさ、体育祭で何やる?」 あ、話題逸らした。 「種目とか係とか?」 「そう。何やりたい? おれもいっしょにやろうかと」 「……やだ」 黒板に目をうつすと、びっくりするくらい何も進んでいなかった。 きっと、先生の旅行先での話を聞く時間だろう。 海外で体験したことを、よく話してくれる先生だ。