反対の手に持っているスマホに、篠山くんの目がいくのが見えた。 「友だち、なろうか。いやだったらぜんぜんいいんだけど──よかったら、これ、読み取って」 QRコード。いやなわけがない。読み取って、メッセージアプリ内の友だちになる。 新しい友だち。その欄に、 “ 涼雅 ” と “ 真咲 ” が並ぶ。 ぎゅうと、くるしくなった。 「授業中でも、いつでも。──バイト中以外だったら、連絡くれたらすぐ見るから。なんかあったら、連絡して」 本を返却した篠山くんが、「じゃ」と残して去っていく。