だけど。 まだほかのみんな──クラスメイトや篠山くんには言っていなくて。 「えっ、名前呼び?」 「電話番号?」 あっそうだ、勝手になれてたけど、名前呼びもだ。 大きめな声で “ 紗奈ちゃん ” 呼びしたのは、初めてじゃなかろうか。 「そう、名前呼びなの」 「橘、もしかして、茅田さんと?」 男子の声に、細めていた目をいちど開いて。 また、細めて。 「うん。だから、あげないよ」 ──……橘、ハイライトどこ! こわ、こわいよ!