そろそろきみは、蹴られてくれ。



篠山くんに手紙を渡した直後、橘にバックハグをされたこの場所──なんでいま思い出したんだろう、体温が! ほんと! 夏よりも夏! 何言ってんだ。


教室の真ん中あたりで立ち止まった彼が、振り向くと同時に。


「わっ!?」


わたしのことを離した。


まわすようにして離された影響で、ドアとは反対側の壁際、橘の前に立つかたちになって。


どういうことだ? 困惑していると、あの長い足で、3歩。距離を詰められた。


思わず後ずさるも、背後は壁。しまった、もう下がれない。