そろそろきみは、蹴られてくれ。



「ん……ありがと」


そしてそのまま、額に手首をあてた。


「ほんっと紗奈ちゃん、勘弁して……」


小さくつぶやいた彼の声を聞きながら、花乃に直接伝えられる、最後の応援のチャンスに。


口を開いた。


「花乃、がんばれー!」

「佐久間さん、応援してる!」

「がんばれ……っ!」


わたしたちは大声を出して、手を振った。


スタートラインについたばかりらしき彼女が、大きく笑んで、手をあげる。


そして。


一瞬のうちに、目を変えた。