俺の前では泣いてもいいよ。【修正中】

「もう終わった」
「何か探してた?」

「見つかんないからもういいわ」
「そう」




「うん」と言って引き返した蒼太くんに続いて私も歩き始めた。

さっきと同様電車に乗り込むと、私はカバンから参考書を取り出して目を通す。心の中でブツブツ唱えながら覚えていると、私の肩がずしりと重くなった。



横を見ると、眠ってしまった蒼太くんが私の肩に頭を預けていて、無防備な寝顔が顕になっていた。


サラサラの金髪が私の頬にあたってくすぐったけれど、気にしないようにして教科書に目を落とした。




これは彼の本当の姿なのだろうか、子供っぽいところがあるのだろうか。

なんとなく試されてる気がするのは気のせいだろうか、私が考えすぎているからなのかよくわからないけれど、疑問がたくさん浮かんできた。