俺の前では泣いてもいいよ。【修正中】

お盆を過ぎれば日は短くなり、もう空は真っ暗だった。視界の果まである並ぶ建物のおかげであたりはぜんぜん暗くないけれど、夜を感じる空だった。

夜の都会特有の音、学生の声、人の歩く音、信号の音、車の喧音、様々なところから生活音が聞こえてくる、夜の街だ。



その中をどんどん進んでいく蒼太くんを追いかけながら、私は別のことを考えていた。




あまりにもうるさいスマホをポケットから取り出したけれど、触らなきゃよかった……と思ってしまうほど、お母さんからたくさんの連絡がきていた。




【本当に学校なの?】
【まだ帰らないの?】
【学校に迎えに行こうか?】




私は、はあ、とため息をついて、となりに蒼太くんがいることも忘れて、頭を抱える。