俺の前では泣いてもいいよ。【修正中】

私はとんでもない人と関わってしまったのかもしれない。



ポケットからスマホを取り出して時間を確認すると、6時を過ぎていた。早く行ったからもう帰ってきてると思うけれど、これ以上まかせるわけにはいかない。

昨日のこともあるし、私がとにかく場を明るくしなきゃと、変な使命感があった。



「もう帰んの?」
「うん」

「明日」
「明日?」




主語と述語を入れろ、と小学生のときに習わなかったのか、と言いたくなるほど蒼太くんは単語で話す。

「明日そこに行きたいから、道案内して」と思いつきで話す。




「うん、わかった」




私と蒼太くんの不思議な関係が始まった。

この出会いが私を大きく変えるなんてこのときの私は知る由もなかった。