俺の前では泣いてもいいよ。【修正中】

「人に聞いたら自分も言えよ」
「いや、興味ないのかな……って思って」

「人の名前聞くのに興味ありなしカンケーねえし」




この人……じゃなくて蒼太くんのペースに乗せられる。遠慮ばかりしている私とは違って、蒼太くんはかなり強引な人だった。

私は自分の言動、行動に気をつけなければ簡単に人をイライラさせてしまうのに蒼太くんは人をイライラさせないし、すくなくとも私はイライラしていない。



「なあ、聞いてんの?お前人の話聞けよ」


急に顔を覗き込まれて面食らった。



「え、あっ……白咲 愛結です……」
「へー」




自分から聞いてきたくせに……って思ったけれど、一瞬彼が驚いたような気がしたのは、勘違いだろうか。

不思議に思っていたけれど、次見たときは何事もなかったかのような顔をしていたので、そこはスルーした。