俺の前では泣いてもいいよ。【修正中】

硝子玉のような瞳に、吹き出物ひとつない肌、すーっと通った鼻筋、細い手足で、私の学校には間違いなくいない人種だ。

放つオーラからまず違っていた。



「覚えてるけど、お前が覚えてると思わなかった」
「あんなこと急に言われたことないので、逆に忘れられないです」




彼は何も言わなくて、急に沈黙が訪れていたたまれない気持ちになった。風がピューと吹いて、その後に口を開いた彼が、「で、昨日のやつ、ほんとにやんの?」と言う。




「何をするんですか?」
「別に何も、隣にいてくれたらいい」

「それだけなら……」
「そう、それだけ」




私に何を求めているのかよくわからないけれど、この感じだとたぶん何も求めていないし、私もこの人に何も求めていない。

自分でも理由はよくわからないけれど、だからこそいいと思えたのかもしれない。