約束したわけではないから、いないと思っていたけれど、後ろ姿でわかった。生ぬるい風に吹かれた彼の髪が揺れているからすぐにわかる。
夕方も夜もいるって、ずっとあそこで過ごしているのだろうか。さっきまで何も感じなかったけれど、近づくとなぜか緊張してきた。
普段男の人と話すことなんてないからだ、きっとそうだ、そう思いながら近づいていくと、私の足音に気づいた彼がこっちを向く。
切れ長の目と視線が交わる。それはまるで不審者を見るような目だった。
「お前なんで……」
「なんでって、昨日………」
自分が昨日、どういう発言をしたか、忘れてしまったのか、と聞きたくなるほどに私が驚いている。昨日は暗くてあまりよく見えなかったけれど、近くで見るとやっぱり顔は無駄に整っていた。
夕方も夜もいるって、ずっとあそこで過ごしているのだろうか。さっきまで何も感じなかったけれど、近づくとなぜか緊張してきた。
普段男の人と話すことなんてないからだ、きっとそうだ、そう思いながら近づいていくと、私の足音に気づいた彼がこっちを向く。
切れ長の目と視線が交わる。それはまるで不審者を見るような目だった。
「お前なんで……」
「なんでって、昨日………」
自分が昨日、どういう発言をしたか、忘れてしまったのか、と聞きたくなるほどに私が驚いている。昨日は暗くてあまりよく見えなかったけれど、近くで見るとやっぱり顔は無駄に整っていた。



