私からしてみれば、メリットもデメリットもなく、損するわけでも得するわけでもなかったし、たぶんもう決定事項なんだと思って、私は何も言えなかった。

人に一瞬で流されてしまったのも、一瞬麻痺してしまったのも初めてだった。



いつもはまわりに流されるというか、まわりに合わせているけれど、いつだって心は正常だ。間違いにはちゃんと気づけているし、ここはおかしいな、というところもわかった上で合わせていた。

今回は彼に呑まれたという言葉がしっくりきて、彼に翻弄されて、彼のペースに引きずり込まれて、自分でも堅いと思っている私が一瞬で会ったばかりの人に洗脳された。

昨日は私がおかしかった、情緒不安定だったから「いいよ」って答えてしまったのかもしれない。


"運命的"なんて一瞬でも思ってしまった自分が一番信じられない。