──お前じゃなくてもよかった。この寂しさを忘れさせてくれる人なら誰でもよかったんだ。




いつも無理して笑っていた、ほんとうは泣きたかった、誰かに気づいてほしかった、ずっとずっと心がひとりで泣いていた。助けて、たったの4文字が言えなかった。







『俺のために生きみるとか、どう?』



耳を疑って、その言葉を反芻して、理解した瞬間フリーズした。本気で言っているのか、冗談で言っているのかわからなかったけれど、顔を見たとき、本気なのだと思わせるものが確かにあった。

どう返したらいいかわからず立ち尽くす私と何事もなかったかのようにただ空を見ていた彼は正反対の人種だと思う。

彼氏は突拍子もないことばかり言ってくるし、会ってからほとんど時間が経ってない人に言うことじゃないことも平気で言ってくる。


結構おかしなことを言っているのに、当たり前のように命令してくる彼は、見るからに不思議な人だった。



言動、行動が掴みにくくて、オーラが独特の彼だったけれど、昨日の私に逡巡も躊躇も昨日の私の中にはなかった。