「落ちたら危ねえから」
ぶっきらぼうだけど、どこか優しい声だな、と思いながら、私はその人の顔を凝視してしまった。
目元まで覆ってしまうくらい長めの前髪と金色のサラサラな髪と、切れ長の目はどこか冷たい印象を与える。
けれど、私の学校にはたぶんいない顔つきで、かっこいいというよりは綺麗な顔をしていた。
恍惚として見入っている自分に気づかずにいると、
「なんだよ」
「いや……すみ……ません」
自分でもびっくりするくらいかすれた声が洩れる。どうしようと思っていたとき、「こんなところなんでひとりで歩いてんの?」と問われたけれど、それを言うならこっちのセリフでもある。
私よりは歳上だと思うけど、こんな夜中にひとりで歩いてるこの人だって不思議だと思う。
ぶっきらぼうだけど、どこか優しい声だな、と思いながら、私はその人の顔を凝視してしまった。
目元まで覆ってしまうくらい長めの前髪と金色のサラサラな髪と、切れ長の目はどこか冷たい印象を与える。
けれど、私の学校にはたぶんいない顔つきで、かっこいいというよりは綺麗な顔をしていた。
恍惚として見入っている自分に気づかずにいると、
「なんだよ」
「いや……すみ……ません」
自分でもびっくりするくらいかすれた声が洩れる。どうしようと思っていたとき、「こんなところなんでひとりで歩いてんの?」と問われたけれど、それを言うならこっちのセリフでもある。
私よりは歳上だと思うけど、こんな夜中にひとりで歩いてるこの人だって不思議だと思う。



