ほとんど無意識のまま家を出て、走ってきたからスマホも財布も、自分の身を守れるものはなにひとつない。
町は変わっても相変わらず田舎だから、警察はいそうにないけれど、もし見つかったら即補導だ。
そうしたら学校の先生に怒られるし、下手したら停学だし、お母さんには大激怒されるし、"お母さんの求める私"じゃなくなってしまうけれど、やっぱり戻る気にはなれない。
足が勝手に進むというか、もっと前に進めと誰かが私の背中を押してくれているような、変な感覚が私の中にあった。
息切れも治まってきたからか、あたりは物音ひとつしない。砂利とコンクリートが擦れる音が響くだけ、私が歩くたびにジャリッという音がしているだけだった。
町は変わっても相変わらず田舎だから、警察はいそうにないけれど、もし見つかったら即補導だ。
そうしたら学校の先生に怒られるし、下手したら停学だし、お母さんには大激怒されるし、"お母さんの求める私"じゃなくなってしまうけれど、やっぱり戻る気にはなれない。
足が勝手に進むというか、もっと前に進めと誰かが私の背中を押してくれているような、変な感覚が私の中にあった。
息切れも治まってきたからか、あたりは物音ひとつしない。砂利とコンクリートが擦れる音が響くだけ、私が歩くたびにジャリッという音がしているだけだった。



