俺の前では泣いてもいいよ。【修正中】

一生懸命自分を保っていても、必死に必死に堪えているだけだから簡単に壊れてしまうものなんだな、と思う。

自分でもわかっていることを人に言われると"何か"が募るし、何もわからないくせにわかったようなこと言われても"何か"が募る。


止まっているシャープペンはがたがたと震えて白いノートに細い線がたくさん並んでいた。

ぐちゃぐちゃに混ざった感情を抑えられる自信がなかったし、このままふたりの声を聞いていられる自信がなかった。



いつも私は冷静だと思っていたけれど、今日ばかりは衝動的で、気づいたらドアを開けて、玄関のほうに向かっていた。

となりの部屋からはまだ怒鳴り声が聞こえてきたけれど、気にせず前に進んで、靴を履いた私は迷うことなく外に出る。



外に出た瞬間、空から落ちてきた粒が私の頬を濡らして、何も考えたくないのに、さっきの言葉を何回も思い出してしまった。