だけど、思い出は絶対に消えないし、色褪せない。




「なあ、愛結」
「なあに」

「誕生日おめでとう。生まれてきてくれてありがとう」
「ありがとう、生まれてきてよかった」





蒼太くんは私を成長させてくれた人であり、
私に色々な世界を見せてくれた人です。

私の恩人です。


蒼太くんはずっと大切な人であり、
かけがいのない存在です。




ありがとう。たくさんのありがとう。
出会ってくれて、生まれてきてくれて、私を救ってくれてありがとう。






「私ね、誕生日が大嫌いだった。誕生日はなんで生まれてきたんだろう、って自分を責める日だった。誕生日を人に言ったことなかった、おめでとうなんて言われたくなかった」
「うん」

「だけど私がこうやって清々しい誕生日を迎えられるのはふたりに出会えたからだよ」




蒼太くんのこと、これからも思い出すよ。絶対に忘れないよ。

もう会えなくても、話せなくても、世界が変わってしまっても、心が描く記憶は絶対に消えない。


ずっとずっと輝き続ける。






「いや〜、ほんと愛結は変わったわ」
「そう?」

「うん、まじで成長したと思う」
「ほんと?ならよかった」