蒼太くんはおかしいんだよ、ずるいんだよ。

蒼太くんのことを想って泣いているときも私を救ってくれたのは蒼太くんだから、おかしいんだ。


それほど蒼太くんはいつも私の心の中にいたよ。



「喜んでると思うよ」
「そうだといいなあ」



蒼太くんのこと忘れた日なんてないよ。
いまでも、毎日毎日思い出すよ。



『空を見たら俺を思い出してくれる?
絶対、忘れない?』




この世界に永遠なんてないし、
変わらないものもない。


一瞬一瞬、かたちを変えて、様々な色を出して、進んでしまうし、この世界は簡単に変わってしまうけれど、


変わらないものを見つけた。



私は蒼太くんと過ごした日々の中で変わらないものを見つけたよ。





"思い出"だよ。

蒼太くんと過ごしたこと、わらったこと、泣いたこと、蒼太くんの隣にいたこと、

あの日々で、蒼太くんを想ったときに生まれた苦さと愛おしさ、どうしようもないほどの愛、

蒼太くんを失ったときの底知れない喪失感、


そして、今でも心に灯る言葉、




蒼太くんとの思い出はいつも変わらない。

もう恋とは呼べないのかもしれない。



蒼太くんとの日々はいつも隣にあるけど、蒼太くんのとの日々(過去)といまは絶対に交わらないのかもしれない。

過去と今は別の場所にあって、二度と同じ色には染まらないのかもしれない。